最近は全くテレビが面白くなく、1週間に1時間も観ればいいところ
年寄りとテレビは切っても切れぬ関係で、大音量で一方的な放送が流れます
そこに座りテレビを観ることで年寄りの存在が一際目立っているような…
その大音響から逃れるように私は自分の趣味を楽しむために、
別の部屋に移ります
自分のためのその部屋は落ち着くし、誰にも邪魔されない空間です
田舎暮らしをする上で最も贅沢な事なんでしょう
静岡大学教育学部の外山教授は、子供の不登校や引きこもりと住まいの関係
の研究を通して、独自の住居学理論を確立してこられました
その理論の中核をなすのが「テリトリー形成力」という、一般的には聞きなれ
ない概念です。テリトリー、すなわち自分の「なわばり」という自己イメージを
持てずに成長した子供に不登校や引きこもりという現象が多く見られることを、
多くのフィールドワークから実証し、この能力の発達に配慮した住まいづくりを
強く提唱されています。
確かに居場所がないというのは辛いことです
借りてきた猫のように周りの環境に怯えストレスは溜まる一方ですからね
「家に自分の居場所があることに確信が持てない、つまりテリトリー形成力が
未発達のままの子供が増えています。子供だけでなく、家族一人ひとりの居場所が
しっかりあること、そしてそれがバラバラではなく、有機的に結びついていること
このような家が理想の家だと思います。豊かな人間関係が背景にあって、
それが現れるのが間取りなのです」。そして、「人は自分のテリトリー(居場所)
を確保してから次に他人との関係を自覚し、思いやることができるようになります
このような心の成長を助ける間取りの工夫が必要です」と語ります。
いきなりドアのある個室を与えて家族から分離するのではなく、
「ゆるやかであいまいな間仕切り」を工夫することで、徐々にテリトリー意識や
プライバシー感覚の発達をうながすようにします。そして、いつも家族が
集まってくるような「気持ちのいい空間=リビング」づくりの工夫も重要です。
単に、吹き抜けがあるとか、広々しているというような「空間」をつくるのでは
なく、子供の前で両親が生きいきと暮らす姿を示せるような「場」をつくる工夫が
必要になるわけです