建築するにあたってプランニングをしますけど、
これが案外難しいものです
「ここは、こんな風にするとどうでしょう?」とか
「広さは8帖くらいになります」と言えば、感覚的に
分かって頂いた気になります
実際工事が完了してみると、「ああ、こうなるのね」とか
「思ったより狭かったなぁ」となる事があります
しっかりと呑込まれていないのがわからなかった結果です
多くの場合は予想したよりも良かった方なんですけど、
それは新しい物を目の当たりにした時の喜びで、
不満な部分が打ち消されている場合もあるでしょう
計画している段階で設計者には完成形が見えていますけど、
施主さんにしてみれば図面からでは良く分からないのです
工事が終わってからでは後の祭りです
施主さんで「ああしたい、こうしたい」がはっきりしている方には
言われたとおりにするのはどうなんでしょう?
夢の実現に手を貸してあげたいですしね
鵜呑みにして工事をすると「こんなつもりじゃあなかったんだけど」
という事もあります
良くあるケースが「壁を少なくオープンにしたい、吹抜けが欲しい」
の場合、冬場の寒さや光熱費の高騰、他階の騒音等が考えられますが
計画時には夢の実現に向けて盲目になりがちなんでしょう
勿論計画時にリスクを説明したうえで、納得してもらったとしても
結果的に「そこまで酷いとは思わなかった」みたいになるかも知れません
難しいのは要望のない事
そこで家族構成、年齢、生活スタイルなどから計画を練り
「こんなのどうでしょう?」となるんですけど、実際その時点では
内容は見えてないのが殆どではないでしょうか
この場合思ったより良い物が出来たと感じる方が多いようです
建築屋として施主さんの要望に100%応えるのが良いのか
ポリシーを持っているなら自信を持ってプランを進めるべきかは
いつも悩む所です
いずれにせよ建物が完成して住んでみて
「ああ、私は良い家を建てられたなぁ」と感じてもらえるのが
ベストでしょう
意外な部分で施主さんの満足感を耳にしました
「あの窓の大きさが良かった」や「あれだけの収納スペースを
設けてもらって良かった」とか、「風通しが良くて気持ちいい」
等で、本当の満足感は住んでしばらくすると
住み心地を重視するようになって来ます
もちろんデザインや機能性も重要ですが、もっと基本的な部分
使い勝手が良くないと施主さんの満足感は満たせない気がします