建築の仕事をしていますと、色んな御宅や人に出会うことになりますが
先日は少し遠くまで足を伸ばしてきました
車で1時間半もかかるその場所に建つ豪邸
一般の家庭だというのに、私道と庭の間に立派すぎる門があります
それはまるでお寺にあるようなものを一回り小さくしたぐらいの門
車庫も立派です トイレと流し台のあるガレージです
また、倉が敷地の真ん中にど~んと構えています
扉は有名金庫メーカーの物でダイヤルロックが付いています
駐車場から倉の前を通って玄関に行くまでの間は、屋根付きの通路と石畳
続き間にぐるりと縁側や廊下
凝りに凝った造りの数々 無理にお金をかけて作ったような手間の入れよう
この御屋敷のリフォームを計画するんです
簡単に要望を聞き、寸法を取って歩いただけなのに二時間近くを費やしました
築20年くらいでしょうか
相当に手は凝んでいますけど、断熱性能や気密性能はレベル1って所です
サッシも当時としては最高レベルのものだったんでしょうけど、今となっては
ガラスのみペアにするのか、サッシごと取り替えるのか迷ってしまいます
それよりももっと重大な事が…
高く積み上げられた石垣の上に豪華な土塀が敷地を囲んでいます
しっかりと地面を固めたんでしょうが、4~5m盛った地盤は沈下しています
この豪邸の基礎は無残に割れ、柱は傾き隙間をつくり、建具は動かず
住むには支障だらけの家になっているんです
こうしてみると、住まいとは見てくれの豪華さだけじゃなく、基本性能の
重要さが改めて感じられます
環境に対応できること、頑丈でメンテナンスの少ないこと、そして重要なのは
お気に入りであること
どんなに立派な門構えがあっても嫌気が差すような性能ではいけません